フィンランド語の大きな特徴である、「格(単語の語尾変化)」関係をまとめました。
1、「格」とは
文章内の名詞の立場(使われ方)のことです。
これにより、名詞の語尾が15種類に変化します。
2、フィンランド語の特徴
多くの本で「格」は「難関」として紹介されています。
しかし、日本語や英語の助詞(「てにをは」や、「from」や「after」など)があらかじめ名詞と合体している、と考えればいいだけのことです。
名詞だけを並べる言語があるかどうか分かりませんが、そうでなければどの言語でも同じなので、取り立てて苦手意識を持つ必要はありません。
一方フィンランド語には冠詞・不定冠詞・男・女・中性名詞などがなく、名詞の性別を考える必要がないのは楽です。
助詞が名詞に一体化していることと、冠詞類が無いこと。
この二つの理由により、フィンランドの会話は、単語の長さは長くなるが、単語数は少なくて済みます。
(例)
日:私は日本から来ました。→「私」「は」「日本」「から」「来ました」→5語。
英:I came from Japan.→「I」「came」「from」「Japan」→4語。
フィンランド:Tulin Japanista.(トゥリン ヤパニスタ)→「Tulin」「Japanista」→2語。
フィンランド語の場合、「Tulin」だけで「私が来た」、「Japanista」だけで「日本から」という意味を持っています。
3、日本語で考える
日本語では、「光が○○」「ホテルから○○」「猫の○○」のように、「が」「から」「の」などの助詞を加えて文章内での名詞の立場を示しています。
「光が」の場合、「光」が主体であることを示しています。(=主格)
(例)「光が当たる」「光が強くなる」「光がなくなる」
この場合、フィンランド語では「ヒカリガ」という単語(1語)になるイメージです。
「ホテルから」の場合、何かが出てくる元であることを示しています。(=出格)
(例)「ホテルから出てくる」「ホテルから連絡が来る」「ホテルから音がする」
フィンランド語では「ホテルカラ」という単語(1語)になるイメージです。
「猫の」の場合、「猫」に属するものという意味になります。(=属格)
(例)「猫のしっぽ」「猫の足跡」「猫の模様」
フィンランド語では「ネコノ」という単語(1語)になるイメージです。
文章内でその名詞を使う目的から、名詞の立場が決まり、名詞の立場が決まれば語尾が決まります。
つまりフィンランド語の場合、名詞の語尾変化を見れば、他の文章が分からないうちでも一定の推測が立つわけです。
日本語でも、「今日、会社から・・・」と言えば、「帰ってきた」か「連絡が来る」か「荷物が届く」など考えられるのと同じことです。(=出格)
4、「格」分類
「格」は15種類ありますが、ゲンナリしないでいただきたい。
日本語でも常識的に使い分けている程度です。
1、主格
2、属格
3、分格
4、対格
5、様格
6、変格
7、内格
8、出格
9、入格
10、接格
11、奪格
12、向格
13、欠格
14、共格
15、具格
これらの格は説明よりも具体的な文章例で理解するのが早道だと感じますので、それぞれに記事を設けます。
とりあえず今回はここまでにしますが、この記事と付随する記事は後日追記補強いたします。